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24.08.26いつも栃木屋のホームページをご覧いただきありがとうございます。
栃木屋は、ドイツEMKA(エムカ)社と2002年に正規販売店契約を結び、
日本国内でEMKA社の機構部品・機械部品を販売しております。
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今回、EMKA社が発行しているEMKA NEWSをご紹介いたします。
・EMKA NEWS全文を読む (PDF)
記事の中から、一部をピックアップしてご紹介いたします。
【NEWAG社からの15年の信頼】
ポーランドの鉄道メーカーのNEWAG社は、15年にわたりEMKAの製品を採用しています。同社は1876年に始まる歴史ある鉄道会社でありながらも、最新技術も導入しポーランド以外のヨーロッパの多くの国にも鉄道を供給しています。その品質の高さから、過去2つの車両にてIRIS(国際鉄道産業標準:ISO/TS 22163)の金賞に輝いています。
EMKAの製品は、ほとんどが車両内部や内部の見えない場所に使用されています。
15年の導入実績では、ステンレス製コンプレッションラッチ(写真右)、防火ガスケットとエッジプロテクション、ハンドガード付き緊急脱出用ハンマー(写真左)、盗難防止ブラケットなどが挙げられます。 鉄道輸送で使用するコンプレッションラッチは、DIN EN 61373 に準拠した耐衝撃および耐振動テストをクリアしています。一見して施錠状況が分かる色付きロック識別モデルもあります。加えて、ラッチには、ロックされていないときにはっきりと見えるよう蓋などに開口インジケータを取り付けることもできます。
鉄道用の防火ガスケットは、スペインにある EMKA の工場で製造されています。この工場は ISO 9001 および IATF 16949 認証に適合しているだけでなく、社内独自のテストラボも備えています。これらのガスケットは現在の防火基準を満たしており、危険区域での応力にも耐えます。防火に関しては、トンネルや橋の上を走行する列車には特に厳しい安全基準が求められます。
ハンドガード付き緊急脱出用ハンマーは、ガラス繊維強化プラスチックで作られており、DIN EN 45545-2 HL3 (鉄道車両に使用される材料と部品の燃焼挙動に対する要求)の認証を得ています。ハンマーの先端は硬化鋼製で、強化安全ガラス、合わせ安全ガラス、断熱ガラスを簡単に破壊することができます。また本製品は、ドイツのレッドドットデザイン賞 2024 を受賞しました。
EMKAはNEWAG社より、鉄道にとって重要な耐性と強度という点で高い評価を頂いています。現在、新しい「GRIFFIN 」機関車のプロジェクトが進行中ですが、この機関車にも EMKA のロックとガスケットが使用されます。 「GRIFFIN」は時速 240 km に達する最初のポーランド製機関車で、従来よりも高い耐荷重が求められていますが、EMKAはこれらに応えることを保証します。将来的には、「GRIFFIN」機関車はポーランド、ドイツ、チェコ共和国、スロヴァキア、ハンガリーの路線でも運行予定です。
【鉄道車両用に特別に設計されたロック技術】
鉄道用のロックには厳しい要件が求められます。防火と安全の重要性はいくら強化しても、しすぎるということはありませんが、同時に乗務員や乗客の快適性も無視してはなりません。また規制、特に防火関連の準拠は、地域や走行ルートによって大きく変わってきます。このように要件に応じて多様なロック技術が車両の内外に導入されていますが、今回はスイングハンドルをご紹介します。
前述の通り、鉄道列車には高い防火性と安全性が求められますが、ロックに関しては、使いやすさ、美観、アクセス制御も同様に重要となってきます。粉体塗装された亜鉛ダイカスト製の薄型スイングハンドルは、電車内の狭い通路に最適です。
ロックには、長さ 167 mm のバージョンと長さ 89 mm の短いバージョンがあります。スイングハンドルは9mmと少しだけ前に飛び出す仕様で、角に丸みを帯びている形状が特徴です。
通路に突き出している危険性が高い従来のハンドルと比較し、避難経路などに適しています。さらなる利点は、取り付け時にロックインサート(モジュール)を簡単かつ迅速に交換できることです。これは、スイングハンドルが汎用的に使用できることを意味します。用途とセキュリティ要件に応じて、高品質のロックシリンダーまたはシンプルなスクエアタイプを選択できます。シリンダータイプはエンジンルームや運転室へのロックに最適ですが、掃除用具などそれほどセキュリティ対策が必要ではないキャビネットには、シンプルなスクエアタイプで十分です。更に特別なセキュリティ要件がある場合、長いハンドルに DIN または KABA シリンダーと、マルチポイントロックのためのロッドロックを取り付けることができます。
【スペインのガスケット製造拠点】
スペインのアルネドにある EMKA 工場は、ゴムとプラスチックの高品質なシーリング製品の生産を行っています。SO 9001 および IATF 16949 規格の認定を受けている本工場では、85 人の従業員が年間 1,800 万メートル以上のガスケットとエッジプロテクションを製造しています。
材料は、EPDM、NBR、TPE、PVCなどのさまざまな素材が使用されており、厳格な品質検査を受けています。更に防火基準を満たすために、ハロゲン、リン、アンチモン化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ケイ酸塩などの難燃性の添加剤や充填剤が使用されています。
EMKAの鉄道向けのすべてのガスケットおいては、難燃性EN45545 HL3 の要件を満たしています。材料は DIN EN 45545-2 に基づいてテストを受けますが、製品全体の防火テストは DIN EN 45545-3 に従って行われます。
ガスケットは可能な限り長く機能を発揮できるようにする必要があります。燃焼排ガスが内部に侵入するのを防ぐことは重要ですが、ガスケット自体から有毒物質が放出されないことを確認することも重要です。社内実験室では、火災挙動、煙ガスの発生、毒性をテストします。このため、最高の防火クラスを実現しています。
・EMKA社製品の詳細情報はこちら
・本記事に関するお問合せ先(海外営業課) e-mail : support@tochigiya.co.jp
栃木屋ではEMKA社の豊富な製品群から厳選した製品を標準品として在庫し、カタログにも掲載しております。
ガスケット
スイングハンドル
ヒンジ
クォーターターン
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